玄関引き戸も防音対策したい!自分でできるDIYとリフォームのメリット
「外の音が玄関引き戸から聞こえてうるさい」
「屋内の音が外に漏れていないか気になる」
玄関ドアが引き戸の場合、開き戸よりも気密性が低いため、ドア枠やレールの隙間から外の音が入ってきたり、室内の音が漏れやすいのが気になりますよね。
このような住宅の騒音に関する問題、実は玄関や窓などの開口部に防音対策を施すと、高い防音効果が得られるかもしれません。
玄関引き戸の効果的な防音対策のほか、DIYとリフォームによる方法とメリットなどについてご紹介いたします。
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引き戸の防音性能はどれくらい?
音の出入りが最も多いのは、玄関や窓などの開口部です。
そのため、防音対策はこの玄関などの開口部に対して適切な方法で行うことがポイントとなります。
一般的な開き戸で遮音できるのが最大60dBに対し、引き戸が遮音できるのは30dB程です。日常の人の話し声が60dB程と言われており、引き戸であれば30dBまで抑えることは可能となりますが、やはり開き戸と比較すると引き戸の方が防音性に劣ってしまう傾向にあります。
- ●日常生活の音の大きさ
日常生活音 | 体感 | |
---|---|---|
犬の鳴き声 | 90~100dB | きわめてうるさい |
人の話し声(大声) | 88~99dB | |
車のアイドリング | 63~75dB | うるさい |
ふとんをたたく音 | 65~70dB | |
子供のかけ足 | 50~66dB | 普通 |
人の話し声(日常) | 50~61dB | |
郊外深夜・ささやき | 40~20dB | 静か |
呼吸の音 | 20~0dB | きわめて静か |
玄関引き戸の防音が劣ってしまう原因は主に以下の3つです。
- ・構造
- ・建付け
- ・気密性
構造
レールにスライドして開閉するタイプの玄関引き戸は、構造上、左右に開閉する必要があるため一定の隙間が設けられています。
開口部に隙間があると、そこから音が漏れ出てしまい、空気を振動させながら伝わっていくので、防音性という点ではどうしても劣ってしまいます。
このような空気を振動させて伝わる音のことを「空気伝搬音」といい、人の話し声やペットの鳴き声、車の騒音なども空気を振動させて引き戸の隙間から室内へと伝わってしまうのです。
建付け
玄関引き戸は、戸車の摩耗といった部品の劣化や扉そのものの重みや歪みなどが原因となり、年数が経てば建付けが悪くなるのは避けられません。
建付けが悪くなると、スムーズな開閉ができなくなるのはもちろんのこと、ドア枠との隙間も大きくなっていくので、そこから生じる音の流出入も多くなり防音性が落ちます。
玄関ドアのパーツは、およそ10~15年で寿命を迎えるため、部品や建付け不良は修理や交換を検討するサインでもあるのです。
気密性
もともと開き戸に比べて隙間ができやすく、気密性が劣る引き戸は、隙間が大きくなるほど気密性は低下し、空気や音の出入りも多くなります。
また、気密性が低いと熱の移動も多くなるので、外部温度の影響を受けて快適性を損ねたり、あるいは光熱費の上昇を招いたりする恐れがあることには注意が必要です。
DIYで引き戸の防音対策
現在お住まいが玄関引き戸で、音漏れを防ぎたいと考えている方に向けて、DIYで行える防音対策の中から代表的な2つの方法をご紹介したいと思います。
ただし、DIYによる防音対策は、それほど高い効果が期待できないケースも多く、あくまでもサポートという位置付けで認識しておきましょう。
防音テープ
玄関引き戸の隙間が生じる部分に防音テープを取り付ける方法です。
防音テープとは、開口部の隙間を埋めることで音漏れを軽減させるゴムやウレタンなどの素材を用いたアイテムのことをいいます。
ちなみに、ウレタン製の防音テープは、比較的劣化しやすいので、耐久性の高いゴム製のほうがおすすめです。
防音テープは、材質や厚さ、長さなどさまざまな種類のなかから現場の状況に合うものを選び、隙間を埋めるように玄関枠や引き戸に貼り付けて使用します。
ただし、玄関引き戸にはレールやガラス、格子の間など、あらゆる箇所に隙間が存在しています。
玄関引き戸の隙間を完全に塞ぎ、気密性を高めることはきわめて難しいので、それほど大きな効果は期待できないことを念頭に行いましょう。
防音マット
玄関引き戸に防音マットを貼り付ける方法もあります。
防音マットは振動を吸収して音の伝播を抑えるアイテムで、遮音シートや吸音パネルのほか、床の上に敷いて使用する防音マットなどがこれにあたります。
玄関引き戸の表面に防音マットを貼り付け、一定の厚みをつけることで音の軽減を図ります。
引き戸は比較的ドアの厚みが薄く、音の吸収率が低い点も防音が劣る理由の一つですから、引き戸の厚みが増えれば音の吸収には期待できるでしょう。
ただし、隙間からの音漏れは解消されないこと、また玄関引き戸が厚くなることで開閉に支障が生じる恐れがあることなどは注意が必要です。
引き戸のリフォームによるメリット
防音の面で劣る傾向にあった玄関引き戸も、現在は一定のレベルで気密性を確保した構造となっており、高い防音効果が期待できます。
気密性の高い高機能な最新の引き戸と交換リフォームを行えば、防音性の他にもさまざまなメリットが得られます。
遮音効果
最新の玄関引き戸は、玄関枠や引き戸本体に高性能な気密部品を配置することによって、できる限り隙間が生じにくい構造になっています。
隙間が少なく、気密性が向上すれば空気を伝わる音を遮断することにも繋がります。
本体に防音性の高い素材を使用して音の伝播を抑えている最新引き戸ですが、窓ガラスが取り付けられているデザインを選んだ場合、ガラスの厚さによって遮音性が変わります。
防音性を最重視する方は、窓がついていないデザインを選ぶのが良いでしょう。
防犯対策
近年、空き巣などの侵入犯罪から守る効果を重要視する方が多く、玄関引き戸にもオプションでスマートキーを導入するケースが増えています。
スマートキー
暗証番号を入力したり、あるいはリモコンやスマートフォン、カードキーなどを使ったりといった、簡単な操作で施錠および解錠ができるタイプの鍵です。
スマートキーは合鍵をつくるのが非常に難しく、不正な複製リスクが少ないという点も防犯上有利です。
施解錠表示
室内側から鍵を開け閉めする時は、サムターン(つまみ)を上下に動かすだけの簡単操作です。
施解錠の様子が一目でわかるように色付き表示を採用しており、カギの閉め忘れを防止します。
着脱式サムターン
サムターン(つまみ)を外せる機能で、犯罪者がガラスを破り、手を入れて鍵を回そうとしてもサムターンがないため解錠は不可能です。
外出時や就寝時にはこのサムターンを外しておくことがセキュリティ対策へと繋がります。
断熱対策で省エネ
最新の玄関引き戸は、複層ガラスを取り付けたものなど、断熱性が期待できる多くの種類が揃っています。
開き戸に比べると断熱性能は劣ってしまうものの、最新の玄関引き戸は隙間が生じにくく、高い気密性を発揮する構造にもなっていることから、建物の内外での空気の出入りを抑え、外部温度の影響を受けにくくしています。
夏涼しく冬暖かいといった快適な住空間づくりができたり、光熱費を削減したりと省エネにも非常に有効なのが断熱対策です。
玄関引き戸と一緒に、窓や勝手口の断熱リフォームを行えば、補助金を活用して自己負担を少なくできるのも嬉しいポイントですよね。
お住まい全体の断熱・防音効果を更に高めたいならぜひご検討ください。
補助金を使って玄関の引き戸をリフォームしたいけどよくわからない、と言う方も、お問い合わせの際に「補助金を使いたい」旨をお伝えください!
※補助金の利用には条件があります。早期に終了する場合もあるのでお早めにご相談ください
生活の利便性向上
建付けが狂ったり、部品が損傷したり、劣化によって使い勝手が悪くなった玄関ドアは、家族全員が毎日使用する場所だけに、生活の効率を悪化させ、ストレスを感じさせる原因にもなってしまいます。
交換リフォームで引き戸が新しくなれば、使い勝手の改善はもちろん、家の顔でもある玄関が新しくなるので、美観向上という点でも生活を明るくしてくれるでしょう。
カバー工法なら騒音も少なく一日でリフォーム可能
玄関引き戸の防音対策として、最も高い効果が期待できる玄関ドアの交換リフォーム。
従来の玄関ドアリフォームは、周辺の壁や床を壊すなど、コストも高くなり大掛かりな工事といった内容でした。
しかし、カバー工法はきわめて簡単な手順で玄関ドアの交換ができるので、わずか一日という短工期かつ低コストで行えます。
また、壁や床を壊す必要もないため、工事中の騒音も少なく近隣に対して一定の配慮ができるなど、非常にメリットが多く引き戸の防音対策に玄関ドア交換をご検討の方におすすめです。
カバー工法の手順
①古い障子を取り外して枠だけを残す
②残した枠の上から新しい枠を取り付ける
③新しい障子を取り付ける
④外と内に額縁(化粧カバー)を取り付ける
⑤カバー工法リフォームの完成
防音効果を高めるカバー工法のポイント
玄関引き戸のカバー工法リフォームを行うにあたり、防音効果を高めるために検討しておきたいポイントは2つです。
☑玄関ドアに窓を取り付けるなら小さいデザインを選ぶ
☑引き戸→開き戸への交換を検討
玄関ドアに窓を取り付けるなら小さいデザインを選ぶ
窓が大きいとガラスから伝わる音の振動が大きくなり、音漏れの量も増えてしまいます。
新しい引き戸とのカバー工法リフォームを行う場合に、窓が付いたタイプを取り付けるなら、その窓は小さいデザインのものを選びましょう。
引き戸→開き戸への交換を検討
防音性を最も重視するのであれば、引き戸から開き戸に交換するリフォームを行うことも視野に入れましょう。
引き戸よりも隙間が少ない開き戸へ交換することで、より高い防音効果が期待できます。
玄関引き戸の防音効果を考慮したカバー工法リフォームを行う際には、これらのポイントについて検討したうえで決定するとよいでしょう。
玄関引き戸は、開き戸に比べて防音が劣ると言われていますが、最新の玄関引き戸は隙間や気密性が向上しており一般住宅であれば防音効果に十分期待ができます。
玄関ドアは引き戸を選びたいけれど、環境周辺が騒がしいので防音対策をしたい方。
古くなってきた引き戸のリフォームを考えている方。
街の玄関ドアやさんの無料の現地調査では、最新の玄関引き戸をはじめ、様々な種類の中からお客様のご要望に沿った玄関ドアをご提案いたします。
まずはお気軽にお問い合わせください!
玄関引き戸も防音対策したい!自分でできるDIYとリフォームのメリットまとめ
DIYによる防音対策は限定的であまり効果も得られません。
それならば、防音性だけでなく、防犯性、断熱性など多くのメリットがある玄関ドアリフォームをご検討ください!
まずは街の玄関ドアやさんの現地調査をご利用ください。
玄関引き戸の防音対策は、現地の状況によって行うべき内容も異なりますから、お客様お一人おひとりに最適なプランをご提案いたします。