玄関のドアには、主に2種類のドアがあります。
引いて開ける
『開き戸』とスライドして開ける
『引き戸』ですね。
玄関のリフォームをする際に、どちらにしようか悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
引き戸の場合、
以前は防犯性が低いと言われていました。確かに、古いタイプのものは、鍵が1箇所にしか付いていなかったり、ガラス部分が大きかった為、空き巣に狙われやすい造りでした。しかし、
現在は改良に改良が重ねられ、以前よりもずっと安全なものになっています。そこで、今回は
引き戸の防犯性についてご説明します。
まずは、引き戸とは、どのようなものなのかについてご説明します。
引き戸といっても、いくつか種類があるのは、ご存知でしょうか。まずは、種類や性能を見て行きましょう。
2枚の戸板を、右左どちらでも移動させ、開閉する事ができるタイプです。一般的に多いのが、この引違い扉です。
片方は壁、片方は戸板で、一枚の戸板を左右どちらかに開閉するタイプです。
2～3枚の戸板が、連動して開閉するタイプです。
開口部が広いので、車いすでの出入りもしやすいのが特徴です。
2枚の戸板を、それぞれ壁側に引き込むタイプです。このタイプの扉も、開口部が広くなります。
引き戸は種類によって、和風にも洋風にもなります。格子のデザインによっても、さまざまな雰囲気を楽しめるのが特徴ですね。
次に、引き戸のメリットとデメリットについてご説明します。
長所があれば、短所があるのも当然ですね。引き戸の良いところ・悪いところを良く理解した上で、防犯対策をする事が大事になります。
そこで、実際に
空き巣犯の侵入手口には、どのようなものがあるかをご紹介しますね。
まずは、引き戸の防犯性はどのくらいで、どんな侵入方法があるのかを見て行きしょう。空き巣などの被害に遭わない為には、どこが弱いのかを知る事が大事ですね。引き戸の構造や空き巣の手口を知る事で、対策方法も見えてきます。
引き戸の防犯性が低い理由は、構造上にあります。
複数枚の戸板を使用しているのが、引き戸です。複数の戸板を使用しているという事は、戸と戸の重なり合う部分が出てきます。その重なり合う部分に、どうしても隙間ができてしまうのです。隙間があると、気密性・断熱性が低くなってしまいますね。それだけでなく、この隙間を利用して、空き巣が住居に侵入しようと試みます。
さらに、引き戸のメリットである『日の光を多く取り込める』事は、防犯上はデメリットになります。なぜなら、光が入ってくる部分は『ガラス』で出来ているからです。ガラスは、ハンマーはもちろん、大きめの石があればスグに割られてしまいます。ガラスの割れたところから、手を入れれば容易に鍵が開けられますね。
つまり、空き巣に狙われやすい理由に繋がるのです。引き戸が防犯性に劣ると言われていた事に、納得がいきますね。よって、防犯対策が必要不可欠になります。
では、空き巣犯に狙われない為には、どのように対策すれば良いのでしょうか。以下でご説明します。
引き戸からの侵入方法は、１つだけではありません。どんな手口で侵入されてしまうのか、ご紹介します。
1番耳にする方法ではないでしょうか。鍵穴にピックなどを差込んで、鍵を開ける手口です。引き戸は、開き戸よりも戸板が薄いので、鍵が開けやすいと言われています。また、シリンダーが開き戸に比べて短いのも、ピッキングがしやすい理由の1つです。タイプが古い鍵や防犯性が低い鍵だと、1分程度で開けられてしまうそうです。
ガラス破りと呼ばれる手法です。侵入手口の中でも、多いのがガラスを割って侵入するという、大胆な方法です。ただ割れば良いだけなので、簡単に侵入できてしまいます。特別な技術も道具もいらないので、よく使われています。
また、火でガラスを熱した後、急速に冷やす事で、ガラスを脆くし、穴を開ける手段もあります。この方法は、焼き破りと呼ばれます。ガラスは、急激な温度の変化に弱いので、火で熱するだけで割れる事もあります。さらに、ガラス破りと違って、大きな音が出ません。よって、周囲に気づかれる危険性が低くなります。
鍵周辺のガラスと枠の間から、マイナスドライバーなどを使って、ガラスにヒビを入れます。そのまま、拡げていき穴をあけてしまう方法です。割れた部分が、三角形になるのが特徴です。ガラスを割る大きな音が出ず、ドライバーがあれば簡単にできます。
ドアに穴をあけ、工具などを差込んで内側にあるサムターンを回して鍵を開ける方法です。引き戸のように戸と戸の間に隙間があると、そこから差込んで開ける事も出来てしまいます。
こじ破りと呼ばれる手法です。壁とドアの隙間に、バールなどの工具を入れてドアの鍵を破壊します。テコの原理を上手く利用して、破壊する手口です。
鍵穴こわしと呼ばれているやり方です。ハンマーなどの道具を使って、殴打する事で鍵を破壊します。
また、木材や金属版に穴を開ける為の工具を使って、丸く穴をあけてシリンダーを壊す事もあります。
引き戸から侵入する方法が、たくさんある事に驚かれたのではないでしょうか。せっかく、メリットの多い引き戸にしたくても、躊躇してしまいますね。でも、きちんと対策をすれば、空き巣に狙われることも少なくなります。
実際に、空き巣に家を狙われない為には、どうしたら良いのでしょうか。
ご安心下さい。防犯を強化する為の方法は、たくさんあります。どのような方法があり、どの侵入手口を防ぐ事ができるのかご説明します。きっちり対策をして、リフォームする際の選択肢を増やしましょう。
引き戸の防犯性を高めるために、考えられる方法です。
古いタイプの引き戸をお使いでしたら、最新のものに交換してしまいましょう。現在のものは、昔に比べて防犯対策が施されているものが多数あります。格子があるデザインにするだけでも、防犯性が上がりますね。
王道のピッキングによる侵入を防ぐ方法です。ピッキングされにくい鍵にする事が重要になります。引き戸に取付け可能な鍵は以下の通りです。
とっても強い鍵です。合鍵を複製しにくい鍵で、シリンダーの内側が鍵を破られ難い造りになっています。また、鍵穴壊しにも強いのが特徴です。
磁石が反発する力を利用して開ける鍵です。S極とN極の配列がぴったり一致しないと開けられません。鍵穴が無いので、防犯性はグッと高くなりますね
外側と内側の筒とタンブラーが別々になっているなど、複雑な造りになっています。その為、とてもピッキングされにくく、合鍵を作るのも難しいと言われています。
暗証番号式やカードキー、リモコンキーなどの鍵穴がないタイプにするのも1つの手です。鍵穴が無いので、ピッキングだけでなく、鍵穴壊しも防ぐことができます。また、暗証番号式にすれば、鍵を持ち歩く事が無くなりますね。その為、鍵の紛失を防ぐ事ができます。
サムターンは、家の中から鍵を開けるのには必要不可欠ですね。でも、外から鍵を使って開ける場合には、必要ありません。実際、戸板に穴をあけたりガラスを割って、サムターンを回して侵入する手口があります。取り外しできるようにしておけば、サムターン回しの侵入を防ぐ事ができますね。
単純にロックを3箇所以上にして、侵入するまでの時間を稼ぐ方法ですね。戸板の枚数にもよりますが、2枚の戸板であれば3箇所につける事になります。基本的に、引き戸の両端と戸板が重なり合う部分は、ロックを付ける事をおすすめします。
空き巣は、家に入るまで5分以上かけるのを、嫌がる傾向があります。3つ以上付けておけば、空き巣を諦めさせる可能性がありますね。最初から、3つ鍵が付いている玄関引き戸もありますよ。
煙返しとは、ドアの枠とドアの隙間を埋める為につけるものです。隙間が無くなるので、外から施錠の有無を確認する事が出来なくなります。そして、隙間から工具などを差込んで、鍵を開ける手口を防ぐ事ができます。また、部屋内部や外部からの空気の出入りを防ぐことができます。よって、気密性・断熱性も向上しますね。
ドアと壁の隙間部分に、取付けるプレートです。煙返しに似ていますが、最も危険性の高い鍵周辺にのみ取付けるのが特徴です。隙間がなくなるので、こじ破りによる犯行を防ぐ事ができます。
簡単に割られないように、普通のガラスから『防犯ガラス』に交換すると良いですね。防犯ガラスとは、合わせガラスで、ガラスとガラスの間に特殊なフィルムが入っています。間にあるフィルムは、衝撃に強く、力を分散する働きがあります。万が一、ガラスが割られたとしても穴を開けるのが、とても難しくなります。
余談ですが、「網入りガラスが空き巣対策になる」と聞いた事はありませんか？実はそれ、間違いなんです。本来、網入りガラスは防火目的で使用されているものです。普通のガラスと網入りガラスで、穴があくまでの時間を比べた結果、10秒程度しか差が無かったそうです。
ドアは、格子の多いデザインを選びましょう。
格子と格子の間隔が狭ければ、手が入らないので解錠できませんね。万が一ガラスが割られても、侵入を防ぐ可能性があります。また、1枚の戸板に数ヶ所、明り取り用の窓が配置されているデザインのものも有効ですよ。
玄関ドアを新しいものに交換、といっても気になるのはそれにかかる費用だと思います。
まずは
手軽に手に入る防犯グッズは、手が届きやすいですね。玄関引き戸に使える、防犯グッズもたくさん売られています。どのようなものがあるか、ご説明します。
サムターン周りを囲う、カバーのようなものです。穴を開けて手を入れても、カバーが邪魔をしてサムターンに手をかける事ができません。よって、サムターンを回すのが困難になりますね。
不正にドアが開けられた時に、アラームが鳴ります。侵入された事を瞬時に察知できますし、周囲に知らせる事もできます。また、犯人も音に驚いて、何も取らずに逃げて行く可能性もありますね。
ガラスに貼って使用するものです。衝撃にとても強くなり、ガラスを割られたとしても、ヒビが入るだけです。破片が飛び散らず、ガラスに穴をあける事が難しくなります。よって、防犯性を上げる事ができますね。
夜間の侵入者に効果があります。人感センサー付きのものが良いですよ。ライトが点くと通行人などに、犯人が顔を見られる危険性があります。顔を見られれば、スグに捕まってしまう可能性があるので、嫌がりますね。よって、犯行を諦めてくれる可能性が高くなります。
元のドアに取付けるだけなので、取り付けはとっても簡単です。万が一、既存の鍵を開けられてしまっても、補助錠があるので玄関を開けることができません。空き巣犯が侵入してくるのを、防げますね。
玄関開き戸に付いている、チェーンと同じものです。玄関の鍵を開けられてしまっても、チェーンがあれば侵入できませんね。チェーンを切断しようとすれば、それなりの機材が必要になります。そこまでして、侵入しようとする空き巣はまずいないでしょう。
すぐにでも使えそうな、防犯グッズもありましたね。
1つでも取り入れる事で、防犯性が向上しますよ。
引き戸をご検討の方は街の玄関ドアやさんにお気軽にご相談ください
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以下のリンクでは玄関ドアのご依頼をいただく際の方法や流れ、手順などを解説しています。
玄関ドアの交換を検討されている方は、ぜひお読みください。
まとめ
玄関引き戸は、デザインや種類によってさまざまな雰囲気を楽しむ事ができます。
ひと昔前まで、「防犯性に劣る」というイメージがあった引き戸も、
現在では、防犯対策が組み込まれた仕様になってきました。
それでも、やっぱり心配な部分は当然あると思います。
なので、鍵を交換したり、防犯ガラスにするなど、不安要素を取り除いていく事が、
大事なのではないでしょうか。
また、手軽に手に入る防犯グッズを上手に活用する事で、より強化する事もできますね。
リフォームされる際には、玄関引き戸もご検討されてみてはいかがでしょうか。
