自宅から出ている
音が外部に漏れて迷惑をかけていないかと心配している人や、あるいは
近隣の騒音が気になるという人は多いのではないでしょうか？玄関は特に内と外を隔てているため、
玄関の防音について気になるという方も多いですよね。
実は近隣とのトラブルで非常に多い騒音。感じ方に個人差があるとはいえ、長くご近所付き合いを続けるうえで「音」に関する問題を避けて通ることはできませんよね。つまり、地域コミュニティを良好に維持するには、
「音」に対する配慮を相互的に取り組む必要があるいうことになるでしょう。
防音対策は、音漏れのメカニズムを知り、状況に応じた対策をすることが重要です。とくに音漏れが多く発生しているのは
玄関ドアや窓などの開口部で、この部分を対策することが最も効果を発揮します。
今回は、
玄関ドアでできる効果的な防音対策について、また
日常生活で気になる音漏れやそのメカニズムについても解説していきたいと思います。
そもそも防音とは、音の伝達を防ぐことを意味しますが、その方法として「遮音」と「吸音」があります。
●遮音：物体を使って音を遮ること
●吸音：物体に音を吸収させること
遮音効果のある物体とは石膏ボードやコンクリートブロックなど、そして吸音効果のある物体とはグラスウールやロックウールなどがあります。これらを、音を伝えたくない経路に設置することで防音対策になります。
どうせ防音対策をするなら効果的な方法で実施したいですよね。
防音対策にもさまざまな方法がありますが、効果を発揮するには音の伝わり方によってその方法も変わります。音の伝わり方にも種類があり、その種類ごとに適した対策を講じることが重要なのです。音は、おもに空気や固体を介して伝わります。音漏れしているなら、何を介しているのか特定し、その経路を断つことが効果的な対策となるでしょう。
住宅で発生する音漏れの原因は、玄関ドアや窓などの開口部が非常に多くなります。
こちらでは、玄関ドアでできる簡易的な防音対策について、具体的な例を挙げていくつかご紹介したいと思います。
ただし先にお伝えしておきますと、簡易的な対策では効果に限界があります。また方法によっては、玄関ドアの部品も経年とともに劣化するため、余計な手を加えることで動作不良に加担してしまう可能性もあります。その点をご理解のうえ、参考にしていただけると幸いです。
玄関ドアとドア枠の間は、隙間が生じていることがあります。とくに築年数の古い建物などは、経年とともに建てつけも悪くなり、また調整されていないことも珍しくありません。隙間が生じることで建物内部の音は漏れ、近隣に届いている可能性があります。玄関ドア周辺にホームセンターなどで売っている専用の隙間テープを貼りつけ、隙間を埋めることで音漏れを緩和できます。
玄関ドアの室内側に遮音効果のある特殊繊維を使ったカーテンを設置すると、音の一部を遮る効果が期待できます。玄関ドアの全面を覆うように設置することが重要になりますが、隙間がある場合はそこから音は漏れてしまうため、防音対策としての効果は限定的といえるでしょう。
玄関ドア本体に、遮音パネルや遮音シートなどを貼りつけると、玄関ドアを透過する音を遮る効果が期待できます。この方法は、玄関ドアに直接貼り付けるため見た目に違和感が出やすいこと、また遮音材が重い場合は建てつけが狂い、隙間も大きくなる可能性があることなどは危惧されます。
玄関ドアは、建物のなかでも音漏れしやすい部位でもあるため、防音対策を図るうえで必ず検討する必要があるでしょう。
そこで防音性能の高いドアへ交換することは、簡易的な対策をするよりも大きな効果が期待できる方法といえます。防音性能の高いドアとは、密閉性を高めることで音漏れの大きな原因となる隙間のない構造をつくり、そしてドア内部には防音性能の高い材料を充填しているものになります。
また玄関ドアの交換は非常に簡単な工事で、
わずか1日ですべてが完結します。つまり簡単な工事で、効果の高い防音対策ができるというわけです。玄関ドアのリフォームとなると生活が制限されるイメージがあるかもしれませんが、
生活に大きな支障はなく簡単に機能を充実できるという点でおすすめの方法といえるでしょう。そして、防音性の高いドアは、防音だけでなく、その他にもさまざまな効果が期待できます。
どのような効果が期待できるのか見てみましょう。
防音性の高いドアの内部に充填している防音材は、同時に断熱材でもあります。つまり断熱性能を高める効果も期待できるということです。建物のなかで、音漏れが最も活発に行われているのが玄関ドアや窓などの開口部ですが、同時に最も多く熱が移動しているのも開口部になります。この開口部の断熱を強化することが、建物の断熱性能を効果的に高める方法です。
また断熱性の向上は、気密性の向上をセットで考えないといけません。というのも、いくら断熱性を高めても、隙間があるとそこから熱が逃げていってしまうためです。防音性の高いドアは、断熱と気密を同時に強化することができる点が大きな強みといえるでしょう。断熱性能が強化できると、室内の空調効率が高まり、光熱費の削減につながります。そしてなんといっても、暮らす人の快適性につながることから、生活の質も高まることでしょう。
玄関ドアが外部温度の影響を受けると、温度差によって結露が起きやすくなります。
結露はカビを発生させたり、木材を腐らせたりするなど、建物にとって非常にやっかいな存在です。
とくに玄関で発生する結露はイヤなにおいの原因にもなるため、優先的に対策が必要な場所のひとつでしょう。防音性の高いドアには、内部に断熱材を充填しているものが多く、外部温度の影響を受けにくい特徴があります。ということは、建物の内外で温度差が生じにくく結露の抑制につながるというわけです。
玄関ドアとドア枠の間に隙間があると隙間風が入り込みますが、とくに冬には室内の温度低下を促します。そうなると、暮らす人は寒く快適性が損なわれるだけにとどまらず、暖房効率は著しく下がり光熱費のムダにつながるでしょう。
冬の生活を快適に乗り切る要素として、暖房環境を充実させることは欠かせません。重要な暖房環境に大きな影響を与える原因のひとつが、玄関ドアの性能です。防音性の高いドアは、密閉性を高めることで隙間のない構造をつくり、隙間風の防止と室内の暖かい空気が逃げていかない効果が期待できるのです。
こちらでは、日常生活で気になる音の大きさについて、いくつかご紹介してみたいと思います。
「環境基本法」には、住宅地における音の大きさの目安として基準値が定められています。
その基準値とは以下の通りです。
●昼間：55デシベル以下
●夜間：45デシベル以下
環境省によるとこの基準値は、「生活環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい基準（環境基準）」としています。つまり、この基準値を超えるような環境にある場合、生活を送るうえで何らかの支障が生じたり、あるいは健康を害したりする可能性があると解釈できます。
それでは「環境基本法」に定められている基準値とは日常生活のなかでどのような音が相当するのか比較してみましょう。
| エアコン | 約41～59デシベル |
| 温風ヒーター | 約44～56デシベル |
| 換気扇 | 約42～58デシベル |
| 風呂または給排水管 | 約57～75デシベル |
| 洗濯機 | 約64～72デシベル |
| 掃除機 | 約60～76デシベル |
| 目覚まし時計 | 約64～75デシベル |
| 電話のベル音 | 約64～70デシベル |
| ピアノ | 約80～90デシベル |
| エレクトーン | 約77～86デシベル |
| ステレオ | 約70～86デシベル |
| テレビ | 約57～72デシベル |
| 犬の鳴き声 | 約90～100デシベル |
| 子供のかけ足 | 約50～66デシベル |
| ふとんをたたく音 | 約65～70デシベル |
| 車のアイドリング | 約63～75デシベル |
| 人の話し声（日常） | 約50～61デシベル |
| 人の話し声（大声） | 約88～99デシベル |
以上の表を見てもわかる通り、日常生活で発している音が「環境基本法」の基準値と比較しても大きいことがわかります。何気なく発した音でも周辺に暮らす人にとっては騒音として捉えられる場合もあります。またそのような状況が継続するような環境では、ストレスとなってトラブルに発展することがあるかもしれません。つまり、日常生活で生じる音は意外に大きいということを認識し、できる限りの配慮をする必要があるということです。
しかし、暮らし方で防げる部分もありますが、限界がありますよね。もし自宅からの音漏れがあることがわかったら、原因と経路を特定し、そして建物の状況に応じた騒音対策を検討することが重要になるでしょう。
生活を送るなかで、自宅建物から音が外部に漏れる、あるいは外部の音が内部に入ってくることなどはよくある現象です。とくに玄関ドアなどの開口部では音漏れしやすい部分になりますが、どのようなメカニズムで起こっているのでしょうか？
まず音は、物体が振動することによって発生します。
そしてその振動を、気体や液体、固体などが媒介することで人の耳へと伝わっていくのです。
玄関における音の伝わり方には大きく2種類あります。
●空気伝搬音
●固体伝搬音
これら2種類からなる音の伝わり方について、それぞれ解説したいと思います。
空気伝搬音とは、空気が媒介して伝わっていく音のことをいいます。
例えば、会話する声や音楽の音、飛行機の音などが空気中を伝わって人の耳に届くというものです。
玄関ドアでの音漏れは、周辺などで空気が通り抜けるような隙間があると、音も伝わりやすくなります。
固体伝搬音とは、床や壁、天井など固体が媒介して伝わっていく音のことをいいます。
例えば、上の階の歩行音や大型車が道路を通ったときの振動音が、建物の一部を伝わって人の耳に届くというものです。住宅では、壁や床、基礎などから伝わりやすくなります。また固体は気体や液体より密度が高いことから、物体のなかで最も音が伝わりやすく遠くまで伝わることがあります。
防音対策を効果的なものにするには音の種類を明確にし、それぞれに適した対策を講じることが重要です。
空気伝搬音と固体伝搬音のそれぞれに適した防音対策についてご紹介いたします。
空気伝搬音を防ぐには、空気が通る隙間を塞ぐことが最も効果を発揮します。
ただし隙間を塞いでも一定程度の音が漏れる可能性があります。というのも、音が壁などに到達すると、音の一部は反射したり吸収されたりしますが、残った一部は透過してしまうためです。透過した音は、そこからまた空気が媒介して伝わっていきます。この透過を防ぐ役割を果たすのが遮音材や吸音材で、壁の内部に充填することで防音対策として大きな効果を発揮します。
玄関ドアで発生する空気伝搬音は、空気が通る隙間を無くすこと、そして音が透過しにくい吸音材を内部に充填することなどが効果的な防音対策になるでしょう。
固体伝搬音を防ぐには、伝搬経路となる床や壁などの質量を増して振動しにくくすること、あるいは防振材など音が伝わりにくい素材のものを設置することで効果が期待できます。
ただしこの固体伝搬音の対しては建築的な対策が必要な部分も多く、設計や施工段階で検討することが重要になるでしょう。また同様に、固体伝搬音が原因の音漏れについては玄関ドアだけで対策を講じることは非常に難しくなります。
伝搬経路をしっかり調査して専門的な対策を実施する必要があるでしょう。
地域コミュニティを良好に維持するためにも、防音に対する意識が重要な要素であることはいうまでもありません。誰かが実行すればよいということではなく、
誰もが意識を高めておくことが必要といえるでしょう。例えば、
生活音が発生する行動は時間帯を考慮すること、そして音漏れがしないよう物理的な対策を施すことなどです。騒音トラブルなどは一旦発生してしまうと解決が難しい場合もありますが、誰もがその当事者にはなりたくないでしょう。大きなトラブルに発展する前に、
積極的に防音対策を図ることをおすすめいたします。
家族の快適な生活環境と地域への配慮を確保するには防音対策が不可欠です。ある程度の対策であれば自身で行うことも可能ですが、その効果はきわめて限定的なものになるでしょう。それだけ防音対策は難しいのです。
その点、防音対策として比較的簡単に効果を実感できる方法が玄関ドアの交換です。また玄関ドアの交換は、防音だけでなく断熱性能の向上や結露の抑制など、その他にもさまざまな効果が期待できます。
ただ、どのような玄関ドアに交換すれば十分な効果を発揮できるのかと不安に思っている人も多いのではないでしょうか？
交換すればよいというわけではなく、どのような悩みがあって、その悩みをどのように解決するのかという点では、経験と知識が豊富なプロの業者を活用する場面といえるでしょう。音の伝わり方にも種類があるため、各住宅環境でどのような方法で音が漏れているのか特定し、状況に応じた対策が必要になります。つまり防音対策の効果を最大限発揮するには、専門的な知識と正しい処置を施すことがキモになるわけです。
とにかくコストを抑えて防音対策をしたいという人は、まず隙間を塞ぐこと、そして固体（玄関ドア）の厚みを増すことなどを試してみるとよいでしょう。それでも十分な効果を得られない場合は、プロの業者による玄関ドアリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
玄関ドアを取り換えるといっても、いくらかかるのか、気になるところですよね。
まずかかる金額を確認したいという方は
まとめ
防音対策のひとつとして玄関ドアの交換が大きな効果を発揮することは、ご理解いただけたかと思います。しかし対策を講じるうえで十分な効果を得るには、原因の特定に始まり、状況に応じた対策を検討するなど段階的な積み重ねが重要です。
そのためにはプロの業者による専門的な見地を活用することが効果的といえるでしょう。
どのような防音対策が必要なのか、また住環境に適したベストな対策とはどのようなものなのか、それらを具体化する作業に現地調査があります。現地調査をもとに、お悩みを共有することで、適切に解決するための方法をいっしょに考えていくことが重要です。
街の玄関ドアやさんでも現地調査を随時受け付けております。防音対策や玄関ドアの不具合などでお悩みの方は、現地調査の依頼やお見積りなど、お気軽にお問い合わせいただけると幸いです。
