丁番が錆びて開閉が重たくなっていた木製ドアをアルミ玄関に交換しました
ドア表面の塗装が剥がれ見栄えが悪くなっているのに加え、丁番が錆び始め開閉もスムーズにできなくなっていたとのことでした。
塗膜の劣化、そして丁番の不具合が毎日のストレスになっておられたようです
新築以降、塗装によってメンテナンスを行ってきた玄関ドアも耐用年数を迎え、塗装の剥がれ、丁番の錆びによる不具合など劣化が顕著になってきたということもあり交換のご依頼をいただきました。
重厚感のある木製の玄関ドアは高級感があり非常にお住まいにマッチした佇まいであることは間違いありませんがやはり全体を見ると塗装の剥がれ、変色、錆などが目立ってしまっていますね。
ドアノブは縦方向にハンドルが設置され、親指でつまみを押すタイプのサムラッチハンドル錠です。アールデコをモチーフにした長沢製作所の古代モデルは洋館にとても似合うモデルですね。お客様宅のような重厚な玄関ドアには高級感を演出するパーツとして非常にお似合いです。
ガラスの欄間も設けられています。玄関からの採光という目的もありますが、欄間から見えるシャンデリアもお洒落を演出してくれていました。
お客様が一番気になっていた丁番の様子です。玄関庇が設置されているおかげか、3か所に設置されている丁番の最上部の錆はそこまでひどくありませんが、下二箇所の丁番は完全に錆びてしまっています。
経年劣化によって腐食し、錆びてしまうことは仕方ないとしても、丁番の錆はドアの開閉を重たくし、日常にストレスを与えてしまいます。例えば荷物を持っているとき、例えば疲れて帰ってきた時など玄関の開閉が重たく、人力で支えなくてはいけないとなるとかなりのストレスが溜まりますよね。特に玄関は毎日使う場所だからこそ、お住まいの中でも最も快適な使い勝手が求められる場所だと言えるのではないでしょうか。
まずは既存の玄関ドア本体をドア枠から外していきます。丁番、鍵受け、ネジなどもすべて取り外さなくてはなりません。玄関ドアのカバー工法では既存の玄関枠に、新しい玄関枠を設置するため凸凹があると当然のことながら綺麗に納めることができません。カバー工法を行う上で重要な工程となります。
引き続き欄間のガラスを外していきます。ガラスについている大きな吸盤はガラスの取り外しや持ち上げの際に使用する専用の吸盤です。玄関ドア交換では一人で作業することが多いため最大限安全に配慮するためこのような道具を使うこともあります。例えばガラスを持ったまま脚立から足を踏み外してしまった、手からガラスを滑り落してしまったではお客様に危険が及ぶことになります。例えばペットをお飼いになっている、小さなお子様がいらっしゃるといったお住まいでは怪我の元にもなりかねませんから細心の注意をはらって行います。
ガラスを外したら無目(むめ:玄関ドアと欄間を仕切る不要な枠)を切断します。欄間がなければガラスの取り外しや枠の切断といったような手順は発生しないためもう少し短時間での工事が可能となります。
無目を切断し、玄関ドアの木枠のみが残った状態です。次の工程からは新しい玄関ドアの枠を取り付けていきますが、その前に無目を切断した際の木屑を清掃し、次の工程へと進んでいきます。
既存の木枠の内側に新しい玄関の枠をはめ込むような形で設置します。このような施工方法をカバー工法と呼びます。カバー工法という施工方法が確立するまでの玄関ドア交換というと既存の枠や外壁の一部を取り壊したうえで新しい玄関枠を取り付けるという方法でした。当然そうなると外壁業者や大工など多くの職人の手が必要となります。その分施工費用も高くなりますし、施工期間も伸びることになります。
しかしカバー工法では既存の枠を壊すことなく、生かしたままその内側に新しい玄関を取り付ける形となるため圧倒的な施工期間短縮と費用の圧縮ができるようになったのです。私たちも数多くの現場をお任せいただきますが短いと半日、時間がかかっても一日あれば工事を完工し、お引渡しが可能となります。
近くで見るとこのような形で設置されています。既存の枠の内側に取り付けられていることがお分かりいただけるかと思います。
カバー工法ではこのような形となるため、どうしても既存の玄関と比較すると高さ・幅ともに数センチ程度小さくなることになります。例えば玄関を使って出し入れする大きな家具やお荷物、また足が不自由なご家族がいらっしゃる場合であれば車いすなど、これまでかろうじて出し入れ・通行できたものが通らなくなってしまうこともございます。そのようなご心配がある方は現場調査の段階でご事情をお知らせください。
枠の仮設置が完了したら、いよいよ玄関ドア本体の吊り込みを行います。
今回お客様がお選びになったのはアルミ素材の玄関ドアでLIXILから発売されているリシェントⅢです。真新しい玄関ドアに傷を付けないよう梱包を外さず吊り込みを行い、開閉のテストを行います。
額縁の取り付け等を行い玄関ドア交換の仕上げを行います
玄関ドア本体の吊り込みが完了したら、まずは既存の玄関枠と新設した玄関枠の間をシーリングで埋めていきます。数mmほどの隙間が存在するためシーリングを充填することで万が一の雨水浸入を防ぐために防水処理を行う必要があるんですよね。
「もしかしてシーリング部分はむき出しのまま?」と気になるかたもいらっしゃいますよね。やはりそのままだと見た目が気になりますよね。またむき出しのままだと紫外線・風雨の影響を受けてシーリングが劣化し、数年で隙間ができてしまいます。隙間ができてしまえば雨水の浸入や、隙間風の吹込みなどで建物を傷めてしまうばかりか、ご家族の生活の快適さも奪ってしまう形になりますので仕上げとして額縁を被せ、見た目と建物の劣化を防ぎます。
写真は玄関下枠部分の装飾の様子です。現場で高さを計り、職人がその場でアルミを加工し額縁を取り付けました。額縁というのは玄関ドアのデザイン性を高めるための部材でもあります。当然高さ、長さ等はそれぞれのお住まいに合わせた形で設置しなければ建付けが悪くドアの開閉に影響を及ぼすばかりか、当然ながら見た目にも影響しますよね。そのため職人の手によって丁寧で、正確な仕事が求められます。
左右の玄関枠に額縁を取り付けていきます。写真は玄関内側となります。既存の玄関枠が残っている状態ですね。
アルミ枠の額縁の施工後の様子です。額縁を被せることで切断した無目の切断面や、長年の生活の中で付いた経年劣化による汚れや傷などを隠すことで、玄関全体の美観が生まれ変わりました。
外側の額縁も取り付け仕上げとなります。従来の木枠からアルミ枠に生まれ変わりました。
木製と比較しても紫外線や風雨に強く圧倒的に耐久性に優れています。これまでは7、8年ごとに定期的な塗装を行うことで劣化を防いでこられたようですがこうしたメンテナンスも不要となります。木製の場合、塗膜が剥がれ雨水を吸い込んでしまうと木材が腐食し、枠の崩れ・歪み等による玄関ドアの開け閉めや防犯性に影響を及ぼすだけでなく、シロアリ被害の心配もありますよね。シロアリ被害は建物自体の耐久年数にも大きく影響しますから塗装を怠ることができなかったようです。こうしたストレスから解放されたということでお客様にも大変喜んでいただけました。
最後に新設した額縁と外壁の取り合いをシーリング処理するため、マスキングテープで養生し、シーリングを充填していきます。こちらもわずかな隙間からの雨水浸入を防ぐための防水処理となります。お客様宅の玄関の上には庇(ひさし)が設置されているため通常の雨であれば直接雨水が当たることはありませんが、風を伴う横殴りの雨になれば直接玄関や外壁に雨水が当たることが想像できますよね。こうしたわずかな隙間でも雨水の浸入リスクがあるため、こうしたことを理解し、防水処理を行えることも玄関ドア交換の際には求められるのです。
完工 リシェントⅢ断熱仕様でアルミのデメリットに悩ませることもありません!
LIXILのリシェントⅢ、カラーはオータムブラウンへの玄関ドア交換工事が完工です。
グリップハンドルはシルバーを採用いたしました。施工前の木製ドアは鍵が一箇所だけでしたが二箇所に増やし防犯性を向上させていただきました。
また熱しやすく冷めやすい素材であるアルミ製の玄関ドアに交換する際に「断熱性」について心配されるお客様がいらっしゃいますが、K4断熱仕様の玄関ドアを採用したためアルミのデメリットに悩まされることもきっと少なくなります。
完工後、お客様にも玄関ドアの開閉テストを行っていただきましたがこれまでよりも素材が軽くなったため「とっても開けやすい!」と大変ご満足の感想をいただくことができました。