腐食と錆びた丁番によって重くなっていた木製ドアの玄関ドア交換
がありました。
ビフォーアフター
工事基本情報
- 建物種別
- 戸建
- メーカー
- YKK AP
- 費用
- 195,000円
- 枠タイプ
- 片袖
- 商品名
- PRD S02
初回点検の様子
徐々に重くなっていく玄関の開閉にストレスを感じていたようです
長年お住まいになったお家も年数が経つにつれ、そこかしこに不具合が生じてしまいます。玄関ドアもその例に漏れずに気付かないうちに劣化が起こっています。ドア下側の木材の劣化(腐食)が最初に始まりました。腐食した部分が盛り上がり、塗装が剥がれ、見栄えが良くないのが大変気になっていたそうです。この腐食から始まる経年の劣化はドア本体も歪ませていたようで、ドアの開閉時にひっかかりを感じ始め、気付いたら下枠に傷がついていました。その上、丁番が錆び始めてしまったのでドアの開閉に力を要し、開け閉めという単純作業に大変なストレスと感じるようになったのが、今回のドア交換のきっかけとなりました。ドアの開閉に力を要するということは重い荷物や片手が塞がっている時などに大変不便です。開閉時に荷物をわざわざ下に置いて、両手での開閉作業は大変だったと思います。不便さを感じた時点で玄関ドア交換のタイミング時期であると言えます。
既存のドアの古めかしいデザインを一新したいというご希望がございました
既存の玄関ドアは欄間の付いた片袖ドアで欄間と片袖部分のガラスにはロートアイアン調の装飾が施してあります。洋風の玄関に非常にマッチしているデザインは昭和の終わりごろに流行ったデザインの形です。デザイン自体は悪くないのですが、お客様としては古めかしい印象で思い切ってデザインも一新したいとのことでした。
ドア下側に腐食が見られます
木製のドア下側に腐食が見られ塗装が剥がれ、破損しています。また表面のドア汚れも年数を重ねるつれ、酷くなってきています。木製ドアは一度腐食が始まってしまうと留められない上、防犯・断熱・防音全てに関わってくるため、このタイミングがやはり交換時期となります。また、ハンドルと鍵穴が一体化したこのタイプのハンドルは経年劣化につれ細かい錆びが内部に生じ、だんだんと閉まりが悪くなり開け閉めがし辛くなります。
玄関ドアはお住まいの顔であり、訪問者の方はもちろん家族の方も毎日目にする部分です。玄関ドアの破損を毎日見ているのはとても憂鬱だったと思います。一番目にする場所だからこそ一番綺麗にしておくべき場所だと言えますよね。
良く見ると至る所に錆が見られます
ドアクローザーやハンドル、ラッチ等に錆が見られ、ドア自体も歪んでドアの下枠に傷が付いていました。ラッチは開けた状態からハンドルが戻らなくなり、力を入れてハンドルの向きを直す動作が必要になっていました。この動作は非常に面倒くさいものでドアの開け閉めをより億劫にさせていたそうです。この状態を放置するとこの動作はさらに力を入れる作業が必要だったと思います。
この記事をご覧になっている方でドア開閉の動作に問題がある場合はいかにハンドルやドアノブが古びて見えても、もしかしたら原因は他にあるかもしれません。その場合はまずは「ドア枠」に注目してください。「ドアノブが古くて動きが悪いからドアノブを交換しよう」といざ交換をしてみたら、動作の重みが解決しなかった。。。そんな場合、実はドア枠の歪みが考えられます。もし不安を覚える方は街の玄関ドア屋さんの無料点検をご依頼ください。玄関ドアの問題を見付け、解消するお手伝いをさせていただきます。
工事内容
最も多く行われている「カバー工法」にて施工を行います
既存のアルミ枠の上から新しいアルミ枠を被せていく「カバー工法」という方法で工事を行っていきます。もし、ドア枠に問題が無い場合はドアのみを交換する工法もございますが、年数が経ってしまった枠はたいてい劣化している上に、防犯上空き巣の標的にされる可能性もございますので、多くの場合カバー工法をオススメしています。また、交換には全く同じ寸法のドアが必要であり、入手が難しく、枠自体や建物自体が歪んでいる場合が多いこともこの工法が主流にならない理由です。
ドア本体を外していきます
既存のドアを取り除く作業は大まかにドア本体→ランマ・片袖のガラス→袖飾り→中の枠(無目・方立)の順番で外していき、外枠だけの状態にします。玄関ドアに付随している、丁番・鍵受け・ネジ・ドアクローザ―なども全て外します。これで新しい枠を取り付ける準備ができます。古い枠が残っているけど大丈夫?と不安に思う方もいらっしゃいますが、状態の良いものならばそのまま生かし、古びた外見も外額縁と呼ばれる化粧カバーによって覆ってしまうので完成時の外見は新築時の玄関ドアと変わりません。また外枠を取り外すことはしないので、お家の外壁や床を傷める心配もございません。
ボロボロになったゴムパッキンの弊害
傷ついた下枠と、脆くなったゴムパッキンが見えてきました。そもそもパッキンの役割は衝撃の吸収や断熱・防音・害虫対策などたくさんございますので、疎かにしてしまうと要注意です。ゴムパッキンは一般的には5年程度が寿命と言われていますので、この記事を見ている方も一度点検してみてください。こちらのお宅の場合ですとこれほど隙間が空いている状態になってしまいますと害虫の侵入も許してしまいます。虫の多い夏場にドアは締め切っているのになんだか部屋の中に虫が入ってくるなあと感じたことはございませんか?そういった経験のある方も是非ゴムパッキンの状態をご確認ください。
ドアの歪みを調整していきます
街の玄関ドアやさんが持参した新品のドア枠を付けていきますが、ここでも歪みを見ていきます。せっかく新品のドアを取り付けても枠が歪んでいては防犯にも断熱にも良くありませんね。建物が古くなってしまうとこの歪みが発生している場合が多いのでカバー工法には欠かせない作業になります。
画像の方でドアの隙間に板のような部材を隙間に取付ているのがおわかりでしょうか。この部材によってドアの歪みを計測しながら、慎重にネジ止めをしていきます。
カバー工法での工事においてこの歪みを見ながらの作業の時間が大いに必要になっていきます。
玄関ドア本体の取付
いよいよ新しいドアを吊り込んでいきます。この工程でもドアに隙間ができないように調整しながら取付を進めていきます。カバー工法では既存の枠が厚くなる工法の特性上、ドアの開口部のサイズが若干小さくなります。四方のサイズが約3~5cm縮小され、お客様にご納得いただいた上で工事を始めます。見た目的にはあまり既存のものと開口部の大きさが変わることがございませんが、開口部が小さくなるのが気になる方や、今までギリギリのサイズで玄関を通っていたものがある方などは事前にご相談下さい。
コーキングは作業は慎重に行います
玄関ドア本体を固定するためのネジ止めが完了した後は新しいドア枠と既存のドア枠の間に隙間ができないようにコーキングで埋めていきます。画像では分かりやすいく目立つ色の黒いコーキングが埋まっています。隙間が埋まっていない場合、例えば雨が降った際には内側に雨水が入ってしまい、知らぬ間にパーツ類を傷め、気付いた時には雨漏りが起こって腐食が進んでいた…。なんてことになりかねません。この工程はカバー工法の肝ともなり、場所によって多く埋まっていたり、少なく埋まっていたりならないように一定量のコーキングを均一に埋めていきます。この黒いコーキングは剥き出しのままで凄く目立つから気になる。と思う方をいらっしゃるかと思いますが、ご安心ください。このコーキングは外枠を覆い隠す工程で隠すことになります。
既存の枠やコーキングを隠す外額縁を取付
既存の枠部分を覆い隠す「外額縁」を取り付けます。新しく取り付けた内側の枠との兼ね合いなどがありますので、この時点でしか外額縁の寸法を出すことができないため、この時点でも寸法を測って現場で切り出す必要があります。現場でのカット作業が多いと不思議に思われた方はこういったことが背景にあるというのをご理解ください。
この枠も歪みをみながら慎重に調整していきます。
最後にコーキングで仕上げます
最後に取り付けた外額縁と外壁の接地面(取り合い部分)にもコーキングを充填していきます。元々あった既存枠と新しい玄関枠の時に使用したコーキングはわかりやすい黒色のコーキングでしたが、最後のこの部分は外壁と外額縁がよく馴染むような色のコーキングを使用します。カバー工法の仕上げに当たる工程なので慎重に作業をしていきます。風を伴う雨水は形を変えどのように玄関から浸入するかわからないので、最後の仕上げとして完璧にコーキングでブロックができます。お住まいを悩ませる「雨漏り」ですが玄関ドアも例外ではございません。豊富な実績と経験で培われた防水処理のノウハウで雨漏りも完璧に防ぐことができます。
最後に微調整をして作業完了です。
リフォーム作業完了いたしました
作業完了になります。今回は鍵部分は前回同様ツーロックで同じですが、防犯面でみるとだいぶ向上をしています。古い物と新しい物ではその内部構造や見た目も違いますので空き巣などに狙われる確率がだいぶ下がってきます。鍵はお家の中でも空き巣対策に非常に重要なものなのでなるべく新しい技術を使った鍵を選びましょう。
完工
新しいドアでもう玄関ドアの重さに悩まされることは無くなりました!
新しいドアはYKK APの白のアルミドア、S02型というモデルの製品です。欄間の付いた親子ドアです。ドア本体に2本のスリット窓をあしらったベーシックなデザインのドアです。採光用のガラスは日中の玄関を明るくするだけでなく、すりガラスになっているのでプライバシーも防犯面も守ってくれることでしょう。実際に手に取るハンドル部分は手動錠専用である丸型ストレートハンドルで握りやすく軽々と開け閉めができますのでどなたが玄関ドアを使う場合でも優しい造りになっています。開閉テストでもお客様にもドアの開閉が非常に軽くなったことに喜んでいただき、作業員も幸せな気持ちになりました。玄関ドアの製品の中には「断熱仕様」タイプのドアがございますが、今回は使われておりません。しかし玄関ドアを新しいものに交換するだけで「日中の暑さがやわらいだ!」との喜びのご感想をいただきました。既存のドアの断熱がいかに弱まっていたかがわかりますね。