経年劣化の進んだ木製ドアをアルミドアに交換して機能性アップ
長年使用された立派な木製の玄関ドアでしたが、古くなり塗装が剥がれ、防犯面でも不安があったとのことでご相談をいただきました。
お伺いしたお宅の玄関ドアは写真のように立派な木製ドアでした。経年や雨風による外界からの刺激に耐え続けた木製ドアの表面は劣化がありますが、木製ドア独特の風合いがあり、何とも言えない美しさを秘めていますが、劣化によるダメージは機能面にも及んでいたそうで、今回ご相談をいただきました。木製の玄関ドアは日々収縮が起こり、経年劣化で塗膜に隙間ができてしまうと水分が入り込んで塗膜がはがれてしまいます。木製の玄関ドアを傷める原因は3つ程あります。まず「紫外線」です。これは直接当たることがなかったとしても、反射などでも受けてしまいます。また「雨」も木製ドアを傷める原因です。直接当たる雨水や撥ね返りなどでも木製ドアを傷めてしまいます。また、水分の浸入は剥がれやカビの原因にもなります。最後に「経年劣化」です。木製ドアの傷みが進行してくると、木目を残しての塗装が難しくなるため、その場合は交換をオススメします。
取っ手部分は「サムラッチ錠(装飾錠)」と呼ばれる、つまみを下に押し下げてドアを開けるタイプのものです。昔は大変多く使われていましたが、故障の報告例や使用していくうちにこのつまみが重くなるケースが多く現在ではほぼ使われておりません。装飾が施されている関係上高額になる場合が多く、同じものを取り寄せて使用するのは難しい場合が多いです。お客様のお宅のサムラッチ錠もつまみ部分が大変固くなっており、親指で押し下げてのドア操作もただでさえ億劫な上に、さらにストレスが溜まっていたそうです。今回のお客様のようにサムラッチ錠から経年劣化の進んだドアからの不便さを感じて、玄関ドアを丸ごと交換するケースも非常に多いです。鍵穴も元々ダブル錠タイプのドアですが、もう少し防犯性を高めたいと事でしたので、新しいものにドアごと交換をおすすめしました。
ドアスコープも装飾がついて大変立派なものですが、最近ではモニター付きインターホンの普及により、その数を減らしつつあります。ドアスコープはそもそもプライバシーを守るためのものですが、防犯面で欠点が多く見つかり、空き巣の浸入手口の一因ともなってしまいます。具体的に言うと、スコープ部分は専用の道具を使えば外から中を覗き見ることができ、ドアスコープ自体簡単に取り外すことができるので、取り外した穴から覗かれたり、鍵を開けられてしまう可能性があるのです。
今回これらの要因からお客様は玄関ドアの丸ごと交換を希望されています。家全体の雰囲気を壊したくないので、色味は合わせたいということでブラウン色の玄関ドアを希望されていました。
玄関ドアのリフォームは、今一番行われている(ほぼ9割10割)工法、「カバー工法」にて行います。この工法は簡単に言いますと、既存のドア枠を残してその上から新しいドア枠を被せる工法です。この工法の特徴は大規模な工事を必要としないので、費用を抑えることができ、何といってもスピーディーに完工まで終わるという点が挙げられます。
お客様の既存のドアは片開きの単純なタイプのドアで、交換後の玄関ドアも片開きタイプのドアですので、3、4時間での施工時間を見込んでいます。これがもしランマ付きのドアであったり、片袖が付いたドアタイプの場合は無目や方立のカットやこれらに付随するガラスなどを撤去する作業が含まれますので若干お時間がかかる場合がございます。ただよっぽどのことが無い限り作業は長くて7時間~半日で終わるものがほとんどです。こういったことも踏まえて「カバー工法」はメリットが多いので、お忙しい方でも安心して施工を受けていただけます。
新しいドア枠を設置するために、まずは付随するパーツを外していきます。木製ドアの場合、パーツを外してみてみると、内部が劣化している場合があります。これは雨水が内部に浸入している証拠であり、劣化や腐食、中にはシロアリ被害に遭っている場合もございます。表面には現れないけど、なんだか玄関ドアの調子がおかしい場合はこういった内部の不具合を疑ってみるといいかもしれません。もし判断に迷う場合はご遠慮なくご相談くださいね。
既存の枠の上から新しいドア枠をはめ込んでいきます。隙間にムラができないように専用のパーツを隙間に鋏んで、調整しながらビスで固定していきます。このドア枠をはめ込んでいくときに開口部が歪んでいることも少なくないので、既存の開口部の歪みも直しつつ新しい枠を調整していきます。まっすぐに見える開口部も知らず知らずのうちに歪んでいるものなんですね。
ここでいよいよ新しいドアの設置です。「吊り込む」という表現を使います。ここで開閉テストを数回行いますが、歪みが見られる場合しっかりと開閉が出来ずにつっかえたり、開け閉めがし辛かったりするので、1mmの狂いもなく作業を行う必要があります。うまくはまったところで完全に固定し、既存枠と新規枠の隙間をコーキングします。
こちらは「外額縁」と呼ばれるパーツです。既存の枠をこれで覆い隠すので、古い見た目はすっかりなくなります。逆にこれをしないと古い枠が丸見えで新品同様には見えません。後の工程で既存枠と開口部に応じて現場でカットしてはめ込んでいきます。
外額縁をはめ込んでいきつつ、ドアクローザーも付けていきます。だんだんと完成形が見えてきました。このあたりの工程が最もワクワクする部分ではないでしょうか。作業員やお客様の期待感が上がります。既存枠を外額縁で覆うことによってすっかり新しいドアになりました。仕上に外額縁と外壁の間をコーキングで埋めて完工になります!
完工致しました!
古くなった木製ドアからピカピカのブラウンのアルミドアの生まれ変わりました!YKK APの「PRD S02」というモデルの製品です。今まで暗かった玄関もドアの2本のスリット窓で明るく照らされ、電気代を無駄にすることがだいぶ少なくなりました。明るい玄関ではカビの発生リスクも抑えられますね!スリット窓自体もすりガラスになっておりプライバシーもしっかり守られます。防犯的に不安のあったドアスコープも無い製品なので、ドアスコープから覗かれたり、外されたりするリスクもなくなりました。色合いも木製ドアと同じくブラウンでお家全体のイメージを損なわなずにリフォームができました。ハンドル部分も鍵とハンドルが一体になった装飾錠がプッシュプルタイプの大きいタイプのハンドルでとても持ちやすく、開け閉めも軽くなりました。「動作の開け閉めが楽になったのに感動しています!」とありがたいお言葉もいただけました!