ピッキング対策にワンドアツーロックの導入で空き巣対策ができます

長年使用したドアが古くなり、ご子息様がネットでリフォーム出来るところを探してくださったそうです。防犯面でも心配でした。
玄関ドアの防犯面を見直したいということでご連絡を受けました。既存のドアは鍵が一個だけ付いたもので、この鍵はディスクシリンダー錠と呼ばれ、築年数が古い住宅などで多く使われているシンプルなタイプの錠です。このディスクシリンダー錠は修理と交換がしやすいというメリットがあるものの、ピッキングが容易で被害に遭う危険が高いというものが最大のデメリットになってしまいます。最近周辺でも空き巣被害の出たこと、ご高齢の方がいるご家庭だということもあり、このドアも相当使い込んだからということで、今回玄関ドア交換工事をご依頼いただきました。
日中でも玄関が暗くて見えづらい、またカビも発生して困っているとのことです。玄関ドア上部にランマが設置されてはいますが、位置的にうまく光を取り込めない位置にありますので、新しいドアは玄関ドア自体に採光窓のついたものを希望しておられました。玄関ドアの暗さは、足元の暗さ、カビの発生だけでなくイメージも暗くなってしまいます。光の行き届いていない暗い雰囲気の玄関は住んでる方の気持ちはもちろん、来訪者の方にとってのイメージも暗くなってしまいます。快適なお住まいを実現するために家の顔である玄関から見直してみるといいかもしれませんね。
今回、カバー工法にて施工を行いますが、これは既存のドア枠を壊さず、これを活かしてその上から新しい枠組みをつけてドアを交換する」施工です。以前と比べて工期と費用の圧縮が行えます。この工法はお客様のご負担を少なくする大変便利な工法です。ただし、玄関ドアの開口部が四方最大で5cm程小さくなります。そのため、今までギリギリでやっと玄関を通れる幅のものを通過させていたものがある場合はご相談下さい。また、下枠に段差が付く場合もございます。下枠の達がガリが2cm未満の場合がこれにあたり比較的古いドアの場合は段差がつくことがあります。どうしても付けたくない場合はご相談いただければご対応させていただきます。
お客様との数日前の事前の打合せで、新しい玄関ドアのデザインの決定、工事日の決定、そしてお見積りや採寸を行います。工事日当日の朝午前8時20分頃作業開始です。まずは本体ドアを取り外して、ドアについているドアクローザー、蝶番などのパーツも外し、四方枠だけの状態にします。
建築用語に「無目」「方立」というものがあります。こちらのページをご覧になっている方は聞いたことがある方がいるかもしれません。3つとも玄関ドアにおいてはドアを仕切る部材です。混同されがちなもので、少し解説をさせていただきます。
「無目」…上下を仕切る部材。水平の桟
「方立」…左右を仕切る部材。垂直の桟
簡潔にご説明すると以上のようになります。今回のお客様の場合は水平に桟が入っていますので「無目」ですね。この無目は簡単に取れる場合は良いですが、必要な場合はカットして取り除きます。
既存枠だけの状態にしました。この時点では既存枠のラッチ受けや各パーツが付いていた穴などの古いドアの跡が残っていますが、この後、内額縁を設置することによって隠れることになります。
新しいドアを吊り込んで開閉チェックも行いながら、歪みが出ないように内側の枠を完全に固定します。
下枠にキリで躯体に穴を開けて、ビスで固定します。
下枠固定のビスを隠すゴム材を設置して下枠は完成です。
ランマ部分のガラスを入れています。ガラスを入れた後はゴムでできている「※押縁」を入れてガラスを固定します。
※「押縁」…細長い材で板状の部材と継ぎ目の端の隙間を埋めてずれないようにおさえる役目
既存のアルミ枠と、新設のアルミ枠の取り合いを隠す目的で、外額縁を取り付けます。この外額縁のおかげで既存の古い枠が見えなくなります。また、既存枠と新設枠の取り合い部分もこのカバーにより見えなくなります。
この時点でもう綺麗に見えますが、まだ外額縁と壁面の間に若干の隙間が空いていますので、シーリング材を埋めていきます。このシーリングを施すことによって、まず既存枠と内額縁の間、またこの外額縁と壁面の間で2重の止水処理をすることになります。これで雨漏り対策もバッチリです!
ドアクローザーを取付け、各所微調整の後、無事に完工です!終わったのが12時30分なので約4時間の作業でした。早い時間で完工しましたね!今回は良かったのですが、これがもし既存の開口部にゆがみなどがあると多少お時間がかかる場合がございます。元々あった玄関ドアに比べてランマ部分が小さくなっていますが、ドアの高さが高くなったので、その分ランマが小さくなりました。
大変立派な玄関ドアが仕上がりました!YKK APのヴェナートF03という製品です。今回も片開きのドアです。スリット窓を玄関ドアに施すことによって差し込む光が多くなり、より明るく玄関を照らしてくれます。ランマは既存のものよりも若干小さめにし、その分玄関ドアの縦幅が大きくなりましたので、大変堂々とした佇まいになりました。鍵も前回のドアは一つだけでしたので、防犯面が大変不安でしたが、今回はツーロックで防犯性能もバッチリです。大き目の丸ストレートハンドルはご高齢の方でもしっかり持つことができて非常に開けやすいです。これで開閉時のドアの重さもだいぶ軽減されました。軽くなったドアに感動していただき、お客様のお宅を後にしました。