玄関ドアの窓ガラスは危険!?防犯対策に必要な採光窓の選び方
玄関ドアの窓ガラスは、防犯対策が不十分だと犯罪者に狙われやすい場所です。
警察庁のデータでも、強盗の侵入経路として玄関ドアや窓が多いことが明らかになっています。
特に窓ガラスは、簡単に破壊されて侵入されるリスクが高いため、しっかりとした防犯対策が必要です。
本記事では、玄関ドアの窓ガラスを狙う手口や、それを防ぐための効果的な対策を詳しく解説します。
採光窓を設置する際の注意点や、玄関全体の防犯性を高めるポイントもご紹介します。
強盗の侵入場所は玄関と窓が最も多い
警察庁のデータによると、強盗の侵入経路として最も多いのは、一戸建て住宅の場合、玄関ドアと窓です。
特に、玄関ドアに設置された窓ガラスは防犯対策が不十分なケースが多く、工具を使って簡単に破壊できることもあって、犯罪者が侵入しやすい場所になっているのです。
古い玄関ドアの場合、窓ガラスは簡単に割れてしまう単板ガラスである可能性が高いでしょう。
特に自宅の玄関ドアで古い引き戸を使用している方は、玄関ドア全体の防犯を向上させる方法を参考にしていただくことをおすすめします。
玄関ドアの窓が狙われる犯罪手口
2024年、闇バイトと称して、国内では恐ろしい強盗犯罪が連日ニュースで取り上げられました。
これまでの強盗の手口と言えば、空き巣を狙った犯罪が圧倒的に多かったことに比べ、近年の強盗は窓ガラスを破って強引に家に侵入するケースが話題となり私たちを震撼させました。
玄関ドアの窓が狙われる主な手口は以下のとおりです。
ガラス破り
ガラスを割って、手を入れて鍵を開ける、または直接侵入する手口です。
表的なものとしては「こじ破り」と「打ち破り」があります。
- ●こじ破り
ドライバーなどの細い工具を、ガラスと窓枠のゴムの間に差し込んでガラスを割ります。
大きな穴は必要なく、鍵付近に指が入る程度の穴をあけ開錠する手口です。
- ●打ち破り
バールやハンマーなどの鈍器でガラスを破り、侵入する手口です。
サムターン回し
窓ガラスを小さく割り、隙間から針金などの工具を差し込んで、ドアの外側から内側のサムターン(鍵のつまみ)を回して解錠する手口です。
空き巣を含め、かつてはピッキングが主流でしたが、防犯性の高いシリンダー錠などの登場により、こうした手口が増えてきました。
代表的なサムターンの手口としては以下の通りです。
- ●郵便受けなどのドアポストからサムターンを回す
- ●のぞき窓(ドアスコープ)からサムターンを回す
- ●ドアの隙間から細い器具を使ってサムターンを回す
- ●ドアに電動ドリルなどで穴を開けてサムターンを回す
大きな音がすれば異変に気付くこともできますが、強盗は1、2分もあれば室内へ侵入できるといわれています。
これらの手口は、いずれも窓ガラスが簡単に割られてしまうことが前提となっています。
そのため、玄関ドアの窓ガラスの防犯性能を高めることは、お住まいにおいて非常に重要なのです。
玄関ドア窓ガラスの防犯対策
玄関ドアの窓ガラスに対する有効な防犯対策は以下のとおりです。
- ●防犯フィルム
窓ガラスに防犯フィルムを貼ることで、ガラスの強度を高め、割れにくくします。
また、万が一割れても飛散防止効果があります。
- ●防犯ガラス
合わせガラスや強化ガラスなど、防犯性能の高いガラスに交換することで、ガラス破りに対する抵抗力を高めます。
あくまで侵入しづらくさせるものです。
しかし、侵入するまでに時間がかかることで犯人があきらめるというケースが多いようです。
そのため、こうした防犯対策はガラスを割って入ろうとする不審者への抑止力となります。
- ●面格子
窓の外側に面格子を取り付けることで、物理的に侵入を防ぎます。
- ●補助錠
窓の内側にもう一つ鍵を取り付けることで、解錠に手間取らせ、侵入を諦めさせる効果が期待できます。
- ●サムターンカバー
サムターンの周囲を覆うカバーを取り付けることで、サムターン回しを防ぎます。
これらの対策を組み合わせることで、より高い防犯効果を発揮します。
防犯対策に有効なガラス
複層ガラスといえば、2枚のガラスの間に乾燥空気を封入したガラスで、断熱性能に優れていることで知られていますよね。
さらにYKK APからは、防災安全合わせ複層ガラスと呼ばれるものも発売されています。
複層ガラスに比べ強度が高く、単板ガラスと比較した場合3~5倍の強度を持っており、ガラスが割れても破片が飛び散らないため安全面も考慮されたガラスです。
樹脂中間膜は、一般住宅向けの60mil(1.52mm)と、店舗向けの90mil(2.28mm)を取り揃えています。
ただし、さきほども申し上げたとおり、防犯性の向上を目的に作られた商品のため、防犯を完全に防ぐことができない点は考慮しておきましょう。
※玄関ドアのリフォームに防犯ガラスが使用できるかは確認する必要があります
採光窓って必要?
採光窓は、玄関に自然光を取り込み、明るく開放的な空間を演出する効果があります。
防犯面を第一優先とするのなら、必ずしも必要な性能ではありませんが、おしゃれなデザインが多い採光窓がついた玄関ドアは人気ですから、新しくリフォームするならオプションをつけて防犯対策を行うのがおすすめです。
現在、玄関ドアに採光窓をがついている方、上記の防犯対策をしっかりと行いましょう。
玄関ドア全体の防犯を向上させる方法
玄関ドア全体の防犯を向上させるためには、窓ガラスの対策だけでなく、以下の点も考慮しましょう。
- ●鍵の強化
ピッキングに強いディンプルキーや、複数の鍵を取り付けることで、解錠に時間がかかるようにします。
- ●ドア自体の強度
ドア自体の強度を高めることで、こじ破りなどに対する抵抗力を高めます。
- ●センサーライトの設置
侵入者があった際、動きを感知して自動で転倒するセンサーライトを設置。
不審者を威嚇するだけでなく、近隣へ知らせる効果も生まれます。
「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」(警察庁、国土交通省、経済産業省と民間団体で構成)での厳しい審査によって定められた商品のみに与えられるもので、高い防犯性能が期待できます。
例えば玄関ドアの場合、侵入までに五分以上の侵入時間を有するもの、といった基準があります。
※手口、工具など手口は様々で必ず侵入まで五分以上かかると保証するものではありません
CPマークが与えられた商品は防犯性能が高いこともあげられますが、マークが貼り付けられていることにより、不審者に侵入の困難さをアピールすることにもなり、抑止力にも繋がることも期待できます。
玄関ドアのリフォームをご検討ください
費用が安く済むのならそれに越したことはありません。
しかし、被害に遭ってからでは取り返しがつきません。
今現在、玄関ドアに不具合を感じていたり、パーツが壊れかけている、鍵が回りづらくなってきた、など、耐用年数を迎えている玄関ドアはリフォームで最新の防犯性能を手に入れませんか?
玄関ドアは毎日使うもので、生活に欠かせない重要な存在であり、生活を守る門番です。
ボタン一つで解錠できるスマートキー、サムターン回し対策と合わせ、窓ガラスも防犯対策に有効な性能を備えています。
私たち街の玄関ドアやさんは、リフォームをご検討中のお客様へ無料の現地調査を行っています。
防犯対策で不安なこと、どんな玄関ドアがあるの?などなんでもご相談ください!
勝手口の防犯対策も忘れずに
お住まいの表側に位置する玄関だけでなく、裏側に位置することの多い勝手口のドアへの配慮も防犯性を高める上で重要です。
玄関ドアの防犯対策と同様のものも多いですが、勝手口に対しても注意を促しましょう。
鍵の強化
- ☑補助錠の設置
通常の鍵に加え、補助錠を複数個設置することで、ピッキングやこじ開けに対する防御力が高まります。
- ☑高性能な鍵への交換
勝手口の鍵は単純な構造のものが大半です。
ディンプルキーやシリンダータイプの鍵にするなど、防犯性能の高い鍵に交換することで、不正開錠の危険性が減ります。
- ☑サムターンカバーの設置
勝手口の鍵は単純な構造のものが大半です。
カバーを設置するなど、サムターンを直接回せないように対策することで、工具を使った開錠を防ぎます。
窓の強化
- ☑防犯フィルムの貼付
勝手口に採光窓がある場合はガラスに防犯フィルムを貼り、ガラスが割られても飛び散らず、侵入を遅らせる効果があります。
- ☑格子や面格子(サッシ)
採光窓に対し格子や面格子を取り付けることで、窓が割られても侵入を防ぐことが可能です。
- ☑防犯灯
防犯灯を勝手口周辺で常時点灯させることで、不審者が身を潜めやすい暗闇を作らず、侵入をためらわせることにも繋がります。
その他
- ☑防犯カメラの設置
侵入者を録画し証拠を残すことは警察に通報する際にも役立ちます。
また、防犯カメラがあることで防犯意識の高い家と不審者へ知らせることにも繋がります。
- ☑防犯グッズの活用
様々な防犯グッズを活用することも重要です。
例えば鍵穴を覆ったり、差し込んで鍵穴を隠すことで、ピッキングやいたずらを防ぐことができます。
衝撃や開閉を察知すると大音量で音が鳴る防犯グッズは、外出時や就寝時だけでなく、家に滞在中でも電源をONにすることで防犯対策ができます。
今日からでも簡単に取り入れることが可能な防犯対策として非常におすすめです。
業者を呼ばず、価格も安く簡単に取り付けできるのも防犯グッズのメリットといえます。
- ☑周囲の環境整備
勝手口周辺の草木を刈り込み、不審者が身を隠せる場所を作らないようにしましょう。
また、勝手口周辺に音のする砂利を敷くことも効果的です。
玄関ドアの窓ガラスは危険!?防犯対策に必要な採光窓の選びかたのまとめ
・玄関ドアの窓ガラスは、採光性を高める便利な機能ですが、防犯面では慎重な配慮が必要です。
・窓ガラスの防犯フィルムや防犯ガラス、面格子、補助錠、サムターンカバーなどを組み合わせることで、侵入リスクを大幅に減らすことが可能です。
・玄関ドア自体の強化や防犯カメラ、センサーライトの設置は、玄関全体の防犯性を高める重要な要素です。
・安全な住まいを実現するためには、防犯対策を多層的に行い、不審者に狙われにくい環境を作ることが大切です。