住宅の断熱性能を高めるには、最も熱の移動が多い窓のリフォームが非常に効果的で、近年盛んに行われています。
窓の断熱リフォームには、いくつかの方法があり、なかでも窓のカバー工法（外窓交換）は、多くのメリットを得られるほか、補助金の対象にもなるなど、広く注目を集めています。

とはいえ窓断熱リフォームにはいくつか種類があって、どれが良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか？
窓のカバー工法（外窓交換）による断熱リフォームについて、その具体的な内容やメリット、デメリットなどを詳しくご紹介いたします。

日々の暮らしにおいて、家の中にいても「夏は暑く、冬は寒い」といったことで悩んでいる方。窓断熱を高めるリフォームを行うと、非常に効果的です。
なぜなら、建物の中で熱の流出入が最も活発に行われているのが窓などの開口部であり、その窓断熱を強化して熱移動を抑えるといった方法が非常に効率的だからです。
窓のリフォームには、いくつかの方法がありますが、代表的なものといえば以下のようなものが挙げられます。


これらのうち、カバー工法は、非常にメリットも多く、近年特に人気の高い方法として、広く実施されている窓リフォームです。

窓カバー工法とは？

窓のカバー工法とは、既存の窓だけを取り外し、そのまま残した窓枠に対して、新たな窓枠と窓を取り付ける方法で、いわゆる外窓交換リフォームのことをいいます。
窓の周辺を解体する必要がないことから、非常に短時間で工事が完成する窓リフォームです。

ちなみに、外窓とは、住宅の外壁面にある開口部で、屋外側から施錠できない窓のことを指していいます。

窓枠（サッシ）が新しくなることで断熱性能が大幅にアップし、光熱費の節約、結露の抑制に繋がります。
また、既存のサッシにガタつきがあったり、あるいはガラスに割れなどの問題があったりしても、すべて解消できる点も大きな魅力です。

窓断熱について詳しく

窓カバー工法の施工の流れ

窓カバー工法は、非常に簡単な手順で行えるリフォームなので、1箇所につき数時間～半日程度。窓の数にもよりますが、わずか1日程度で完成させることが可能です。

　窓カバー工法の施工の流れ　
①既存ガラス窓の取り外し
②新規窓枠の取り付け
③新規ガラス窓の取り付け
④コーキングの充填

はつり工法との違い

外窓交換には大きく分けて「窓カバー工法」と「はつり工法」があります。

窓リフォームのはつり工法とは、既存のガラス窓に加え、窓枠についても取り外したうえで新たな窓を取り付ける方法で、過去には主流として行われていました。
窓カバー工法が既存の窓枠を残したまま新しい窓と交換する方法であることに対し、はつり工法は、そのすべてについて交換するという点で異なります。

はつり工法は、窓全体を交換する方法となるので、新規窓には、大きさや種類など、基本的にどのようなタイプでも選べる自由度の高さが大きな特徴です。
ただし、窓周辺の壁や外壁材などを壊す必要があることから、内装や外壁などの修復工事も必要となり、窓カバー工法よりも工期が長く、工事コストも高額になってしまうことは注意しておかなくてはなりません。

ただし、老朽化して窓枠のガタつきが激しいケース、窓枠周りから雨漏りしているようなケースでははつり工法をおすすめすることもあります。

内窓設置との違い

窓の断熱リフォームとして「内窓設置」もよく選ばれます。
内窓とは、既存の窓はそのまま残し、内側にもうひとつの窓を設置する方法で、二重窓やインナーサッシなどと呼ばれることもあります。

窓カバー工法は、外窓交換であり、まったく新しい窓になることに対し、内窓は、既存の窓が残ったうえで新たに内窓が追加されるという点で異なります。
内窓設置は、非常に簡単な手順で行え、また中間にできる空気層が優れた断熱性や防音性を発揮するなど、高いコストパフォーマンスが期待できることが大きな特徴です。
ただし、窓が二重になるので、開閉や掃除にかかる手間が増えてしまうことは注意しておかなくてはなりません。

内窓をもっと詳しく

窓のカバー工法（外窓交換）のメリット

お手軽に断熱リフォーム

窓のカバー工法は、非常に簡単な手順で室内の断熱性能を高めることができるお手軽な窓断熱リフォームです。

一般的に、断熱リフォームといえば、壁や天井、床などを剥がして、断熱材を入れる工事をイメージする方が多いかもしれません。ところが、実は、建物のなかで熱の移動が最も活発に行われているのは窓であり、その窓の断熱性能を高めることが最も簡単に効果を得られる方法なのです。

その点、窓のカバー工法は、既存の窓枠の上に新たな窓枠と断熱窓を被せるだけという、きわめてお手軽な方法で断熱性能強化を図れます。
また、そのお手軽さゆえ、工事コストを低く抑えられることも魅力のひとつであり、はつり工法と比べても、費用と施工日数が少なく済みます。

費用と工期の目安（1800×1200引き違い窓）

	費用目安	かかる工期
窓カバー工法	15～30万円	数時間～半日
はつり工法	30～50万円	3～4日間

窓の断熱性能が高くなれば、冷暖房の効率が良くなるのはもちろん、結露の問題も解消されます。

工事は短時間で完了

窓のカバー工法は、工事を行う窓の数にもよりますが、一般的には1日で、長くても2日程度の工期となります。
はつり工法を行う場合、内装や外装などの工事も必要となることから、複数業者による施工が必要となり、当然ながら工期も長くなります。
その点、窓のカバー工法は、短時間で工事が終わるので、日常生活への影響を心配する必要はほとんどありません。

サッシのガタつきを解消

窓のカバー工法は、既存の窓にガタつきなどの劣化症状があったとしても解消できます。

住宅の窓も、経年とともに建付けが悪くなり、ガタつきが生じて開閉しづらくなったり、そこから隙間風が入ってきたりしますよね。
そんなときでも、窓のカバー工法を行えば、これまであった劣化や不具合を解消し、スムーズな開閉ができるようになります。もちろん窓にひび割れなどがあっても交換してしまいますから安心です。
カバー工法の施工後には、窓の周辺にコーキングを充填して仕上げるので、隙間もなくなり、外気の流出入も抑えられるほか、防音性の向上も期待できます。

他の種類の窓にも取り換えられる

窓のカバー工法は、今付いている窓とは異なる種類のものを選んで取り換えることもできる窓断熱リフォームです。

例えば、断熱性能の高い複合ガラスや樹脂サッシなどに交換すると、結露の防止ができるほか、室内温度の安定化により快適性の向上や光熱費の削減が期待できます。
また、扱いにくいルーバー窓などを上げ下げ窓に交換して使い勝手を高める、使わない滑り出し窓をはめ殺しタイプにする、といったことも可能です。

窓のカバー工法（外窓交換）のデメリット

窓のカバー工法はメリットの多い窓リフォームですが、一方でデメリットもあるので、その点も知っておいたうえで検討する必要があります。
窓のカバー工法のおもなデメリットには、以下のようなことが挙げられます。

段差ができ小さくなる

窓カバー工法は、既存の窓枠に新たな窓枠を取り付ける方法となるので、仕上がりで段差が生じてしまうことには注意が必要です。
特に、掃き出し窓で行う場合は、段差でつまずかないよう出入りする必要があります。近年では段差をできるだけ小さくしたものも登場しているので、気になる場合はそのようなものを検討してみるのもよいでしょう。
また、現状よりも窓の大きさは上下数cmずつ小さくなるので、採光面積が狭くなってしまうことも覚えておいてください。

カバー工法できない窓がある

窓カバー工法は、窓によっては施工できないケースがあることは注意が必要です。

例えば、雨戸がある窓には、構造上、交換できない可能性があります。無料点検にお伺いし確認いたします。
また、マンションの場合、一般的に、窓は共有部分とされているので、勝手にリフォームを行うことはできません。
仮に専有部分であっても、管理規約でリフォームに関するルールが定められていることから、その内容を確認し、許可を得たうえで行う必要があります。
マンションで窓リフォームを検討されている場合は、事前に管理組合へ問い合わせ、リフォームの可否を確認してみてください。

カバー工法断熱窓の選び方

窓カバー工法では、新たに設置する窓にどのようなものを選ぶかで断熱性能が変わります。一般に断熱性能が高くなれば価格も上がるので、お部屋のタイプに合わせてご検討ください。
窓の断熱性能は「ガラス」と「サッシ」の種類を選ぶことで変わります。
※メーカーにより選べる種類に違いがあります。詳しくはお問合せください。

断熱窓のガラスの選び方

カバー工法で使用する断熱窓のガラスには、以下のような種類があります。

●複層ガラス
●Low-E複層ガラス
●トリプルガラス

昔ながらの窓に使われているガラスは単板ガラスといって、1枚だけでできた断熱性がとても低いものです。

一方、新しい窓で使われるガラスは、複層ガラス・トリプルガラスなど、複数のガラスで構成されるタイプのものです。
Low-E複層ガラスは、複層ガラスの片方にLow-E膜という特殊な金属膜を表面にコーティングしたもので、断熱性能が高いです。そしてガラスの間に空気層があれば熱伝導が減少するので、トリプルガラスの方がさらに断熱性能はアップします。

断熱窓のサッシの選び方

断熱窓のサッシには、以下のような種類があります。

●アルミ樹脂複合サッシ
●樹脂サッシ

アルミ樹脂複合サッシは、室内側が樹脂で屋外側がアルミで組み合わせたサッシです。樹脂は一般的に使われているアルミ製と比べると熱伝導率が低く、アルミの丈夫さと断熱性を併せ持ったタイプです。
樹脂サッシは、サッシ部分に樹脂のみを用いたもので、非常に高い断熱効果を発揮します。価格も上がるので、期待する性能と予算とのバランスを考慮しながら選んでみてください。

窓断熱はガラスとサッシの両方を考える

窓断熱を高めるには、ガラスとサッシの両方について検討する必要があります。
例えば、複合ガラスにしてもサッシはアルミだった場合、冬になるとサッシ部分だけ結露が生じるといったことも実際によく起こっています。
よって、窓断熱のパフォーマンスを十分に発揮するためにも、ガラスとサッシのよりよい組み合わせを検討することが重要なポイントとなるのです。

どれを選んだら良いか迷ってしまう、という場合には、ご希望やご予算をお伝えください。ベストな外窓製品をご提案いたします。

2024年は補助金で窓カバー工法がお得！

住宅省エネ2024キャンペーン「先進的窓リノベ2024事業」「子育てエコホーム支援事業」で窓断熱リフォームに補助金が申請できます！

特に「先進的窓リノベ2024事業」で断熱性能の高い製品で窓カバー工事すると最大220,000円の補助金が受け取れます。（※断熱性能の高い製品はその分高額なのでご相談ください）

窓カバー工法（外窓交換）補助額

断熱グレード	大 （2.8㎡以上）	中 （1.6㎡以上2.8㎡未満）	小 （1.6㎡未満）
SS	220,000円	163,000円	109,000円
S	149,000円	110,000円	74,000円
A	117,000円	87,000円	58,000円

※断熱グレード（熱貫流率）
SS…1.1以下　S…1.5以下　A…1.9以下

補助金利用の注意点

窓カバー工法でのリフォームはいくらになる？
どの製品を選べば補助金はいくらになる？

まずはお問合せいただき、補助金利用での窓リフォームを考えているとお伝えください！

2024年住宅省エネ2024キャンペーン

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